ドイツ歌曲を歌う

ドイツ歌曲に心を奪われ、生涯の友としたいと思い始めたのは、大学時代のことです。
上智大学グリークラブの夏合宿の時にOBの人がカセットテープを持ってきて聴かせてくれたことが、ドイツ歌曲との本格的な出会いの始まりでした。
以後、モーツアルト、ベートーベン、シューベルトシューマンブラームスなどなど、そうそうたる大作曲家たちが、ピアノ伴奏による歌唱というスタイルをもつドイツ歌曲の作品を数多く残していることに心驚かされたのです。
クラシック畑の音楽家である母の子として生まれ、日常の中にピアノの音があるこの気づきは遅かったかもしれません。
ですが、表現者としての「歌い手」の可能性に目覚めたのも、このドイツ歌曲との出会い出会いを通してだし、この上なく深い愛とインスピレーションを与えていてくれます。
日産スタジアムで、ほとんどポップスやロックのアカペラ・ライヴをしすぎたせいか感覚が鈍っているけれども、また歌曲の歌唱法で歌える機会があればと思っています。今入院している病院のコーラスは、そんなささやかな夢を持ちつづける場であるもあると思っています。