父と子のスペイン巡礼

終わりとしての始まり

母さんが勧めてくれたニュージーランド滞在とその挫折、それを見かねた父さんが誘ってくれたスペイン巡礼の旅、Camino de Santiago。道中折に触れて父さんが「これは君の旅だ」と言ってくれたこと。また、僕の下痢のために汽車でスキップしたFromistaからLeonへの道を二人で歩き直したこと。そして以後長らく不仲だった母さんと和解した時に母さんもあの時Leonにいたかったと告白してくれたこと。奇遇にも兄さんも僕が持っていたスペイン巡礼の本を買っていたこと。
こうしてみると、このスペイン巡礼の旅は、僕の旅であり、父さんと僕の旅であり、父、母、兄、僕の4人の「家族の旅」でもあったと、今から8年前のできごとを悲喜こもごも噛み締めながら、そう振り返っています。